今回、筆者は年末年始の繁忙期に、客室数300部屋の中型リゾートホテルにあるバイキング会場にて、調理補助としてリゾートバイトを体験してきました。
今回の記事では、調理補助に興味を持っている人に向け、写真付きで調理補助の仕事内容や、嫌なところ、良いところも含めたリアルな実態を紹介します。
調理補助という仕事に対して、きついというイメージを持っている人は多いでしょう。実際、調理補助の経験者による「二度とやりたくない」という体験談があるのも確かです。
ただ、調理補助の仕事内容自体は至って簡単です。これはリゾートバイト全職種に言えることですが、短期の即戦力要員として雇われる以上、難しいことは一切やらされません。
調理補助においては、基本的な仕事内容は「出来合いの物を盛り付ける」。それだけです。
ただ、場所によってはライブキッチン(ステーキや目玉焼きなどをお客様の目の前で焼くこと)も任されることもあります(筆者はライブキッチンも任された)。
とは言え、早い人なら2〜3日、遅い人でも1週間で慣れる仕事という印象です。
ただ、仕事自体は簡単ではありますが、覚えることは多く、また基本的には「朝は早い。終わるのは夜遅い。そして中抜けシフトが基本」なのが調理補助の辛いところです。
また、調理場にいる人間(主に社員)は体育会系な人が少なからずいて、大量の食材を早く盛り付けなければいけないことから、時には怒号が飛び交うこともあります。
筆者個人の素直な意見を言えば、リゾートバイトという短期間だからこなせましたが、1年も2年も働きたいかと聞かれたら答えは確実にNOと言える職種です。
ただ、悪いところばかりでもありません。いいところもあります。それは、まかないが豪華でめちゃくちゃ美味いということ。
以下では、リゾートバイトの調理補助体験談として
- 筆者が働いた職場の雰囲気
- 調理補助のシフト構成
- 調理補助の仕事内容(良いところも悪いところも)
- まかないの内容
- 調理補助に向いている人
について、詳しく記載しています。リゾートバイトで調理補助の求人に応募しようか考えている人の参考になれば幸いです。
リゾートバイト調理補助の職場の雰囲気
筆者が働いたホテルは新潟県にある「エンゼルグランディア越後中里」というファミリー層向けの中型リゾートホテルです。客室数は全300室。
リゾートバイトの募集に多い星野リゾート・トマム(約600室)やエクシブ系列(100〜200室くらい)に比べて中型の規模と言えるでしょう。
筆者が働いた調理場はこんな感じです。客室数300部屋のホテルの調理場にしては、そこまで広くないです。
人員数は社員が常時4〜5名、直雇用のアルバイトさんとリゾートアルバイターを含めたアルバイトが常時6〜7人。合計10〜12人でさばいていました。
初めて調理場に足を踏み入れた第一印象は、「とにかく物(調理器具や食器、食材などの種類)が多い!」ということ。後述していますが、物が多いだけに「どこに何があるのか」を覚えるのが本当に大変でした。
あと休憩所がないです。というか、中抜け以外で休憩はありません。10分間だけタバコ休憩を取れるのですが、外で吸います。
(制服を着た筆者)
制服と前掛け、そして帽子をかぶって作業します。
アルバイトの制服は白、社員さんの制服は濃い茶色と分かれていたので、分からないことがあれば茶色の制服を着た人に聞けば良い、という認識でした。わかりやすくて良かったです。
バイキング会場はこんな感じ。結構広いです。60〜70人くらいが入るかな〜といった広さ。
バイキング時間は3部制になっていて、常時満席でした。
調理補助のシフト。とにかく長い労働時間!稼げるからいいけど…
調理補助のシフトは結構過酷です。特に年末年始やゴールデンウィーク、お盆などの繁忙期は覚悟しておいた方が良いです。実際に筆者が働いた時の1日のスケジュールは以下のとおり。
- 朝5:30出勤
- 5:30〜7:00 / 料理の盛り付け
- 7:00 / 朝食開始。ライブキッチンをする
- 10:30 / 朝食時間終了。後片付け
- 11:00 / まかないの昼食を食べ、そのまま中抜け開始
- 中抜け(4時間30分)
- 15:30 / 午後勤務スタート
- 15:30〜17:30 / 夕食バイキングの下ごしらえや料理の盛り付け
- 18:00 / 夕食開始。ライブキッチンをする
- 21:30 / 夕食終了。後片付け
- 22:30 / 勤務終了
いかがでしょうか。途中で4時間30分ほどの中抜けがあるとはいえ、毎日朝5:30〜22:30まで、中抜け時間を省いても1日の勤務時間12時間30分も働きます。
半端なくないですか?実際に経験してみると半端ないですよ。勤務初日なんて疲れすぎて、仕事が終わったら死んだように眠りました。
とはいえ、上記は毎日というわけではありません。あしからず。あくまでも繁忙期の場合のシフトです。
通常運転時だと、例えば午前勤務だけで終わる日があったり、午後勤務のみの日もあります。
とはいえ、やはり朝早いのが本当にきつかったです…。なんせ5時30分出勤なので、遅くても5時には起きて身支度をして職場へ行かなければいけませんでした。
そして夜は遅いので、仕事が終わって夕食のまかないを食べたら、風呂に入って即寝ます。
中抜け中も勉強だとか観光だとか遊びに時間は一切使いません。中抜け時間は全力で睡眠にあてます。
調理補助で一番きついのは、こうしたシフト構成と言えるかもしれません。
1ヶ月で30万円弱は稼げる!
ただ、かなり稼げます!これは本当に嬉しい。給料日の明細を見たら「おお〜!結構稼げた!」と感動するくらい。
ちなみに、筆者は2週間調理補助としてリゾートバイトをしましたが、14万円くらい稼げました。2週間のうち休日は3日間あったので、勤務したのは実質11日間。
(筆者の給与明細)
1日にいくら稼げたかを平均すると12,577円。
1ヶ月働けば28万円は稼げることになります。そして生活費はほぼ発生しないので、1ヶ月で余裕で20万円以上は貯金できます。
そう考えると、やはりリゾートバイトは稼げる(というか貯金ができる)働き方だなと改めて実感させられます。
調理補助の仕事内容。めちゃ簡単で楽しい!
上述したように、調理補助の仕事自体はめちゃくちゃ簡単です。やることは主に以下の3つだけ。
- 業務用の食材(出来合いの物)を指定された皿に盛る
- 食事時間が始まったらライブキッチンをする
- ライブキッチンの合間に翌日の食材の仕込みをする
ライブキッチンは経験がない人からすると難しそうに感じるかもしれませんが、これもめちゃくちゃ簡単。教えられたらその日に習得できます。
業務用の食材(出来合いの物)を指定された皿に盛る
基本的には社員さんが、「この料理お願いね」みたいな感じで食材をキッチン作業台に出してくるので、それらをひたすらに皿に盛っていきます。
(こんな感じでひたすらにバイキング用の皿に料理を盛ります)
食材が入ったパックをハサミで切って開け、お皿にドバーっと入れるだけ。
食材によっては、「食材一袋を、お皿3枚分に盛ってね」などの指定もありますが、まあお皿に盛るだけなのでかなり簡単。
また、日によっては寿司マシーンの操作を任されることもありました。人生で寿司マシーンを使うことなんてまずないので、これは楽しい体験でした。
寿司マシーンの操作も簡単。酢飯を入れてスイッチを入れたら、勝手にシャリを握ってバイキング用の皿に盛ってくれます。
このように、出来合いの物を皿に盛るだけの作業は本当に簡単です。
食事(バイキング)が始まったらライブキッチンを担当する
(ライブキッチンでステーキを焼く筆者)
食事が始まったら、朝食時はフレンチトースト、夕食時はステーキのライブキッチンを任されます。ただ、ライブキッチンに関しては就労先によって有無が異なるため、応募時に派遣会社に有無を問い合わせてみましょう。
個人的にはライブキッチンは面白い体験でした。とにかくひたすらにステーキを焼いていくわけですが、別に難しくありません。
用意された冷凍ステーキを鉄板の上に乗せ、焼いて切って皿に乗せる。それだけです。
ひたすらにステーキを焼き
お皿に盛って出します。
朝食はこんな感じでフレンチトーストを焼きます。日によっては目玉焼きを担当することもありました。
料理経験がないど素人の筆者でも簡単と思った
筆者は料理経験0。包丁すらまともに握ったことがない本当の料理ど素人です。しかし、ライブキッチンはそんな筆者でも簡単にこなせます。なんせステーキを焼いて切るだけの作業なので。
なので筆者のように料理経験がない人でも、ライブキッチンの仕事は臆することなく引き受けて大丈夫です。
お客様から美味しいと言ってもらえてテンションが上がる
おかわりを貰いに来るお客様も多く、中には「凄く美味しかったです!」と言ってくださったお客様もいました。これは本当にテンションが上がります。
自分が作ったもので人が笑顔になると、本当にやりがいを感じられますよ。
で、これはここだけの話ですが、「俺が焼いたステーキってそんなに美味しいの?」と、あくまで確認の意味でしょっちゅうつまみ食いしてましたが、これがまあ美味しい。
ライブキッチンの合間に翌日の食材の仕込みをする
ライブキッチン中は暇な時間も多いため、翌日のライブキッチンで使用する食材の仕込みも行います。
筆者が主に担当していたのは、フレンチトースト液を作ることです。
スライスされたパンを袋の中にまとめて
フレンチトースト液を作ります。液の作り方は少々難しく感じるかもしれませんが、一度教えてもらってメモさえ取れば簡単。
あとはスライスされたパンとフレンチトースト液を混ぜ、翌日に備えて袋に入れておきます。
仕込みはこんな感じです。
と、ここまで「調理補助の仕事は基本的に簡単!」と述べてきた筆者ですが、実は覚えることも多くて大変な仕事でもあるんです…。
調理補助のここが大変!きつい!覚えることが多すぎる!
調理補助の仕事自体が簡単なのは上述してきたとおりです。
では、調理補助のなにが大変できついのか…。それは覚えることが多すぎること。
もっと具体的に言うと、調理器具やお皿、食材が調理場のどこにあるのかを覚えるのが大変ということです。
バイキングで使用する食材やお皿、調理器具の種類はめちゃくちゃ多いです。この記事で載せている写真なんてほんの一部です。本当はもっともっと、沢山の食材や調理器具、お皿の種類があります。
何百もの種類があるのです。
で、勤務初日は社員さんが優しく「どの調理器具やお皿がどこにあって、冷凍庫や冷蔵庫のどこになにがあるのか」を教えてくれます。
しかし、あまりにも種類が多くて、そんなの一度では覚えきれるわけがありません。
勤務2日目、3日目と日を重ねるにつれ、社員さんは「◯◯君(筆者の名前)!サバを2皿お願いね〜」みたいな感じで仕事をふってきます。
しかし、「え?サバってどこにあるんだっけ?しかもサバを盛る皿ってどこにあるっけ?そもそもサバを盛る皿ってどんなのだっけ…?」と、忘れてしまうことが多いのです。
で、社員さんに場所を聞こうと思っても、社員さんも社員さんで忙しそうにしているので聞きづらいのです。
でも、だからと言っておろおろしているわけにもいきません…。
「2回も3回も言わすなよ!」と怒号が飛び交う時も…
忘れてしまったものはしょうがない…。忙しそうにしている社員さんに調理器具やお皿、食材の場所を聞くと、「それ1回教えたよな!?2回も3回も言わすなよ!」と怒られた時もありました…。
確かに仕事で教えてもらったことはメモをすることが重要であり、これは完全に筆者に落ち度があります。
しかし、あまりにも種類が多く、また沢山の種類の調理器具や食材を次から次へと使うので、メモを取る暇すらないんです…。
こうした理由で、筆者は仕事に慣れるまで、正直言って早く仕事をやめたい…と思っていました。
メモ代わりに写真に撮りまくるべし!
これからリゾートバイトで調理補助の仕事をしようと思っている人にアドバイスをするならば、メモ代わりに写真を撮りまくるべし!ということ。
正直、メモなんていちいち書いている時間はありません。なので、食材や皿、調理器具の場所を教えてもらったら、メモ代わりにスマホで写真を撮っておきましょう。
そうすれば、場所を忘れてしまっても写真さえ見返せばなんとか思い出せます。
筆者も一度怒られてからは、徹底的に写真を撮るようになりました。
また、そうやってメモ代わりに写真を撮っている姿を見て、社員さんたちも「この子は意欲がある」と認めてくれて、対応が穏やかになってきてくれます。
調理補助は本当に覚えることが多い仕事です。遠慮なくバシバシ写真を撮りましょう。
最高に良かったのは、まかないが超豪華だったこと!
きついことも多い調理補助ですが、嬉しかったのはまかないが豪華なこと。
筆者の場合、食事はまかないでした(休日は社員食堂を使えた)。
まかないは、お客様が全員はけた後にバイキングの残り物を好きなだけ取って部屋に持って帰れます。
「残りもの」と聞くとあまり良いイメージは持てないでしょう。しかし、そんなことはありません。
めちゃくちゃ美味しい食事が沢山残っているんです。
パスタやエビチリ、カレーにラーメン、そばにお寿司、さらにはインドカレーにナン…。国際色豊かでなんでもござれ!
しかも結構沢山の量が余っているので選び放題。
食べたいものを上写真のように弁当箱に詰めて部屋に持って帰ります。いくらでも持って行っていいです。
しかも、それなりに高級なリゾートホテルのバイキングですから、やはり美味しいです。
そういうわけで、まかないは食べまくっていました。ただ、本当に太るので要注意です…。
リゾートバイトの食事事情については、以下の記事も参考にどうぞ。まかないの他にも、社員食堂利用だったりお弁当など、さまざまなスタイルで食事を提供されます。
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リゾートバイトの食事事情。自炊は不要。社員食堂、弁当、まかないを写真付きで紹介。
リゾートバイトでは、基本的に以下4つの形態いずれかで食事の補助があります。 社員食堂での食事 まかない 弁当 食事手当(1日1,000円くらい。自炊するか都度ご飯を購入することになる) どの形態の食事 ...
調理補助はこんな人におすすめ
基本的に調理補助は、黙々と作業することが多いです。アルバイト達とぺちゃくちゃ喋る時間はあまりないです。
そのため、黙々と作業したい人に向いている仕事と言えます。
- 黙々と淡々と作業をこなしたい
- かと言って同じ作業ばかりで単純なのは嫌
- テキパキ行動できる
- まかないをたらふく食べたい!
上記に当てはまる人であれば、かなり楽しめる仕事です。
筆者は一度怒られたせいで(と言っても上述したように筆者に落ち度がありますが)、あまり良いイメージはありませんが、筆者以外のリゾートバイト派遣社員の中には、やりがいを感じて3ヶ月や半年以上続けている人は沢山いました。
また、中にはリゾートバイトでは調理補助しかしていない、調理補助の仕事が楽しいから。という人もいました。
そのため、上記に当てはまる人なら、臆することなく調理補助の仕事に応募して大丈夫です。楽しい経験になりますよ。
リゾートバイトの職種一覧、全ての仕事内容については、以下の記事を参考にどうぞ。
>>>リゾートバイトの仕事内容。全15職種の特徴をまとめた「まるわかり図鑑」
筆者の1ヶ月のリゾートバイト体験談。派遣会社登録から就労までの流れ、休日の過ごし方などについては、以下の記事を参考にどうぞ。
>>>リゾートバイト体験談。リゾバ歴5年以上の私が解説するリゾバのメリット。
今回筆者が調理補助として働いた「エンゼルグランディア越後中里」の寮の様子、休日に何をしていたかなどの総括的な体験談については、以下の記事を参考にどうぞ。