リゾートバイト歴5年以上の筆者が、唯一「この仕事だけは誰にもおすすめできない」と思ったのが牧場でのリゾートバイトです。
(牧場リゾートバイトの求人)
牧場でのリゾートバイトは、主に乳牛牧場や観光牧場で、以下のような仕事をします。
- 牛の世話
- スイーツ製造スタッフ
牛が好きな人、牧場の雰囲気が好きな人なら楽しめる仕事なのでしょうが、いかんせん筆者の肌には会いませんでした。
まず、一言で言うと「きつい」。
仕事内容が半端ではない肉体労働であることに加え、
- 朝は早い(6時仕事開始)
- 臭いは凄い
- 夏は半端じゃなく暑い
- 冬は半端じゃなく寒い
- 勤務場所へのアクセスが遠すぎ
と言った、きついリゾートバイトの条件がこれでもか!というくらい揃っています。
リゾートバイトには、他に楽で稼げる職種がいくらでもあります。
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そんな中で、あえてきつい思いをして牧場で働くことに意味はあるのか…。
将来的に牧場関係の仕事に従事したい人を除いては、個人的にはおすすめできない職種です。
では実際、牧場リゾートバイトの仕事はどのようなものだったのか。
実際に筆者が働いた、北海道の野付郡での1ヶ月リゾートバイト体験談を時系列で記載しています。
牧場リゾバ体験談。勤務地へのアクセスが遠すぎ…!
基本的に牧場は、高原に位置しています。
高原は冷涼で風通しと水質が良く、品質の良い牛を育てるのに最適な場所だからです。
ただ、牧場周辺には公共交通機関が少なく、まず就労場所への移動が大変です。
片道約7時間の移動
筆者が住んでいる福岡から、就労場所の北海道野付郡までのアクセスは非常に遠く、飛行機・路線バスを利用して以下のように移動しました。
福岡空港から羽田空港を経由して中標津空港へ
経由地での待ち時間も含め、合計移動時間は約5時間55分。
中標津空港のバスターミナルから路線バスに乗る
牧場最寄りの駅まで路線バスで移動しました。所要時間は約30分。ど田舎を路線バスに揺られ、やや孤独感が襲ってきます…。
最寄りのバス停到着。オーナーが自家用車で迎えに来てくれた
バス停到着後、オーナーが自家用車で迎えに来てくれました。
バス停から牧場までの所要時間は、約40分。
リゾートアルバイターは筆者1人。孤独です。
牧場到着。寮に案内される
牧場に到着したら、まずは寮に案内され、その後一通り牧場の中を案内してくれました。
牧場リゾートバイトでは、最寄り駅から牧場までの移動手段が自家用車以外にないため、筆者の時のように牧場オーナーが最寄りのバス停等まで迎えに来てくれることが多いです。
それはありがたいのですが、片道約7時間の大移動はさすがに疲れます…。
初日は牧場の案内後、寮のベッドでぐったり寝ました。
牧場リゾバの寮はややお粗末…
こちらが筆者が牧場リゾートバイトで過ごした寮。
寮と言っても、元々は更衣室だった場所に布団と小型冷蔵庫、小さいテレビを置いただけの質素な寮です。
広さは11平米と言ったところでしょうか。ビジネスホテル以下の狭さ。本当に寝るだけです。
ホテルや旅館のリゾートバイトであれば、住み込みアルバイトの受け入れに慣れていたり、そもそも住み込みアルバイトを受け入れる前提であるため、しっかりとした寮を設けています。
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(一般的なリゾートバイトの寮)
しかし、牧場のような場所ではリゾートアルバイターを受け入れることに慣れていないため、上記のような簡易的な寮しか用意されていません。
WiFiはあるのですが繋がりが悪く、あまりくつろげない部屋でした。
「うーん、ここで1ヶ月過ごすのは結構きついぞ…。」と思ったのが正直な感想です。
寮の周りに何もない…!
ご覧のとおり、牧場を一歩出ると、広がっているのは田畑だけ…。
20〜30分くらい散歩してみましたが、田んぼと個人商店以外は何も見つかりませんでした。
こうした環境で1ヶ月も生活するのは、結構きついです。
この時点で、来たことを若干後悔し始めました。
幸いにもオーナーは親切な方なので、休日や休憩時間に車を貸してくれました。
なので買い出しなどで困ることはありませんでしたが、周りに田んぼ以外何もないため、娯楽や観光は一切楽しめない環境です。
ストイックに働きにだけ来た感じです。
基本は肉体労働!牧場リゾートバイトの仕事内容
乳牛牧場でメインとなる仕事は牛の世話と搾乳です。
牛の世話とは、主に
- 牛小屋の掃除
- 牧草の補充
を指します。
搾乳とは、牛の乳を絞ることです。
牛小屋の掃除も搾乳も、観光牧場などで体験したことある方は多いかもしれません。
観光牧場の求人では、上記の仕事に加えてスイーツ製造の求人も出ます。
人生経験としては中々面白い体験となりましたが、二度は働かなくていいかな…というのが正直な感想です。
以下で各仕事内容を詳しく解説します。
牛小屋の掃除・牧草の補充
牛小屋には「バーンクリーナー」と呼ばれる、ベルトコンベアの要領で牛の糞尿を外に運び出す装置が設置されています。
牛小屋清掃では、このバーンクリーナーに清掃用具で牛の糞尿を落とし、敷料(牛のフトン代わりとなる麦ワラやオガクズ)を補充します。
結構な力を使います。体力仕事です。
仕事が終わって寮に戻ったら、何もやる気が起きません。シャワーを浴びたら布団の上でグッタリしていました。そのくらい疲れます。
強烈な臭いにめまいが…
牛小屋清掃で最も大変な部分は、何と言っても「臭い」と「汚さ」でしょう。作業自体は簡単なので大変ではありません。
想像に難しくありませんが、牛小屋の臭いは控えめに言っても強烈です。
1週間〜2週間程である程度は慣れてきますが、体調の悪い日は臭いでめまいがしていたほどです。
また、牛自体も糞尿の上に座ったりしているので汚いです。
牛は比較的大人しいので、牛小屋清掃中に蹴られたり攻撃されるようなことはありません。
そのため、汚いという点を除けば可愛いものです。
つまり、この臭いと汚さに耐えられるかが、牧場勤務が務まるか否かの全てと言っても過言ではありません。
筆者の感覚で言えば、1ヶ月間働くのが限界でした…。
搾乳
搾乳は朝・夕の1日2回行います。
搾乳と言えば観光牧場では必ず行われるメインイベントであるため、体験したことある人は多いでしょう。
上写真のように、牛のお乳を絞って瓶の中に入れていくのが一般的なイメージかと思います。
ただ、乳牛牧場では搾乳用の機械を導入しているため、もっと効率的です。
(機械を使った搾乳の様子)
搾乳では牛にストレスを与えないよう注意を払いながら、牛のお乳に機械をセットします。
機械を使うので効率的に搾乳できるのは確かですが、この作業も大変です。
搾乳では上写真のように牛を高い所に乗せ、背後から機械をセットするのが一般的ですが、たまに牛は機械セット中に排便を行います。
運が悪いと服に糞尿が少しかかることもありますが、これは乳牛牧場経験者なら誰もが経験していることです。
最初は牛に腹が立ちました(腹を立ててもどうしようもありませんが)。
で、この時点で「ああ、牧場の仕事はもう無理かも…辞めたい」と徐々に思い始めてきました。
ただ、牧場ではこうして搾乳した採れたての牛乳を毎朝飲むことができます。これが唯一のメリット。
採れたての牛乳は、この程度の大変さを忘れさせてくれるくらい美味しいです。
スイーツの製造
スイーツの製造は、ヨーグルトやアイクスリームといった乳製品スイーツを作り、ラッピングするまでが仕事となります。
個人経営のスイーツ店のように生地作りからオーブン操作など多くの作業に携わるわけではなく、機械を通して流れ作業のように作ります。
単純作業なので多くスキルを求められることはありません。
機械で製造するので、スイーツの作りが雑になったりすることがありません。また、販売を行うわけではないので、製造を急かされることがない点は楽です。
個人的には作ったスイーツを試食できたのが良かったです。
(出来立てのアイスクリームを試食。牧場リゾバで唯一楽しみだったこと)
スイーツ製造は牧場での仕事ではありますが、現場に牧場の雰囲気は全然ありません。
牧場に興味がない人でも働ける職種と言えます。
また、甘いものが好きな人にもおすすめです。結構、20代の女性のスタッフが多かったです。
牧場リゾバ1日のスケジュール。朝は早い!
牧場リゾートバイトの仕事は、朝6時から始まります。最初は結構辛いです。
以下は、筆者が働いていた時の1日のスケジュールです。
6:00/出勤
5:50分頃には牛小屋に到着して、まずは清掃用具などを揃えます。朝一番から牛小屋の「モワァ〜」っとした臭いに包まれます。夏はマジでやばいです。
冬も冬で、ただでさえ高原なうえ風通しが良いため、めちゃくちゃ寒いです。
6:00〜10:00/牛小屋の清掃・牧草の補充
ひたすらに牛小屋を綺麗に掃除して、牧草を補充します。
中腰になることが多い作業なので、足腰にきます。かなりの体力を使います。
10:00〜11:00/昼休憩
牛小屋の臭いのせいか、あまり食欲はわきませんが、一旦寮に帰って食事を取ります。
牧場では1日2回、弁当が支給されていました。
リゾートバイトで提供される食事や賄いの詳細については、以下の記事を参考にどうぞ。
11:00〜15:00/午後勤務開始
午後からは搾乳か、シフト構成によってはスイーツ製造に回ります。
15:00/退勤
牧場では一度も残業はありませんでした。15時きっかりに退勤できます。
ただ、休憩時間以外は1日中立ちっぱなしで体を動かすため、本当に毎日クタクタになります…。
勤務終了後は寮で横になるか、たまに街に出ていた
15時には勤務終了するため、毎日かなりの時間を持て余していました。
ただ、上述したとおり、周辺には観光地等は何もありません。
しかし、オーナーが車を貸してくれたため、片道40分ほどかけて町に出ることができました。
唯一の救いです。
町に出てぶらぶらしてみたり、散策は楽しめました。
ただ、他にやることは何もありません。町に出るのも1回2回で十分だったので、ほとんどは寮でぐったり横になったりスマホを見るだけで過ごしていました。
本当に暇です…。
筆者は様々な場所でリゾートバイトを体験してきましたが、こんなに暇でやることがない就労場所は牧場だけでした。
なので1ヶ月で限界を迎えました。
人によっては2週間くらいで帰りたくなるでしょう。
こうした理由から、牧場でのリゾートバイトは本当におすすめしません。
牧場リゾバで働くメリット
上述したように色々と大変な面も多い牧場でのリゾートバイトですが、牧場リゾバでしか得られないメリットもあります。
まずは何と言っても、毎朝採れたての牛乳が飲めるという点。採れたてと言っても、もちろん殺菌されています。
牧場の採れたて牛乳はのどごしが良くて微かに甘みもあります。この牛乳を使って飲む朝一番のコーヒーは最高です。
また、広大の敷地から感じる自然の雄大さが心を癒してくれます。
牧場によっては牛以外にも子豚やうさぎ、あひるなどの小動物が飼われていて、休憩時間や休日は自然の中で動物達と触れ合えます。
(暇な時はうさぎに餌をあげたりしていた)
そのため、都会のせわしない喧騒を忘れてのんびりとしたい人からは人気があります。
【結論】牧場リゾートバイトはおすすめしない!
牧場の雰囲気が好き、将来は牧場関係の仕事で働きたいという人には良いかもしれません。
しかしリゾートバイトに、働く以外の+アルファの楽しみや出会いなどを求めている人には絶対におすすめできません。
仕事がきつい、寮がお粗末、観光もできない、という環境なので、ほとんどの人が筆者同様に逃げ出したくなるでしょう。
単純に楽しくないです。本当に。
リゾートバイトには、例えば「無料で温泉に入れる」「出会いがある」「非日常を味わえる」と言った楽しい職種が多々あります。
他の職種と比べて、牧場リゾートバイトは決しておすすめできるものではありませんでした。
確かにある意味非日常であり、経験としては良かったですが。
牧場リゾートバイトに興味がある人にとっては、どのような仕事なのか実態がお分かり頂けたかと思います。
リゾートバイトをするならホテルや旅館関係の仕事の方がメリットや特典が多くて楽しいです。
また、基本的にホテルや旅館の仕事は時給が高いため稼げます。寮も綺麗です。
リゾートバイトを始める人には、以下の記事でまとめているホテル・旅館関係の職種で働くことを強くおすすめします。
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以上、牧場リゾートバイトの体験談でした。参考になれば幸いです。
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